『虹の身体』を読んだ!
さらっと概略
GWなので、ゆっくり読書〜🎵
前回、走り書きした『虹の身体』(永沢哲、ビイング・ネット・プレス、2024)です。
内容は、7人の「虹の身体」の成就者達の伝記をメインに
その他、口碑や高僧による伝承の調査、
著者自身の聞き取りで採集した他の幾人もの「成就者」達の逸話も添えた
一種の「往生伝」でした。
全然違う世界線を歩く気分で、面白かった〜🎵
伝記に織り込まれた「虹の身体」に関する著者の解説も興味深い上に、
巻末の「虹の身体」という表現が何に由来するのか、
さらに、「虹の身体」と「尸解仙」や
禅の一派の普化宗(昭和の時代劇に出てきた虚無僧ね!)の祖の普化との関係を探った論考は
日本のどのチベット研究者も述べていないことで
(尤も、アカデミズムで「虹の身体」を正面から扱うことは難しいけれど)
ワクワク感が止まりませんでした。
普化も尸を残さなかったんですよね。
棺を開けたら何もなく、天空から鈴の音だけが聞こえた・・・という。
私も学生時代に、
「中国仏教史」の講義の神異僧編で普化を知って以来ずっと気になっていたし、
(普化は風狂の僧で、完全にトリック・スター🎵
師匠の臨済義玄が王様とすると、
意表と真実を突く道化のような役割で
『臨済録』に登場します!)
ゾクチェンの「虹の身体」を知ってからは、
ゾクチェンの風狂の師匠達となんだか同じ雰囲気を感じて、
死に方も含めて、ゾクチェンを知っていたんじゃないか、と
密かにずっと思っていたので、
我が意を得たり!といった気持ちもありました。
「ああ、ねぇ〜」というか。
ユーラシアは地続きだものね!
虹の身体とは何か?
そもそも、「虹の身体」とはどういうものなのか、
永沢さんはこのように書いています。
……死のときに粗大な物質でできた肉体が、完全に光に溶け去ってしまうことがある。そうやって「真に完全なブッダ」になった者は、純粋な光でできた「光の身体」を持ったまま、アクティヴに利他の活動を続ける。そうゾクチェンのタントラは述べる。「虹の身体」という言葉は、この「真に完全なブッダ」をさす。(前掲書、p.29)
「虹の身体」の成就には幾つかの段階があって、
地上に何も残さないもの、爪と髪だけ残すもの、
身体が8歳くらいの子供の形にまで縮んでしまうもの等があるそうで、
この最後のタイプの成就者の写真(!)が、同書に掲載されています。
……本当に、顔もそのまま残って縮んでいるので、ぜひ見て欲しい!!!
チベット仏教、殊にゾクチェンの修行階梯の精緻さには素晴らしいものがあるけれど、
目的がこの「真に完全なブッダ」になることなので、
そこに至る道筋に現れる様々な障碍(邪魔。
幽体離脱に伴う危険とか、超能力の弊害とか
心霊的な障りなど、途中で出会う数々のそれらの状況や現象)
には、あまり惑わされずに済むルートを
過去の無数の修行者達が「道路整備」してくれたのだというありがたい気持ちが
ゾクチェンを知るごとに深まっていくわけです。
修行に師匠や仲間が必要なのは、
困った時に頼れる人々がいれば、
解決策を見出せるし、間違いも正せるからです。
だからこそ、師匠や仲間選びは最重要とも言えます。
私はこのところ、
脳の電気信号が作るアバターより、
肉体の浄化によるアヴァターラ(化身)をたくさん作る方が
なんかいいよね!
という感覚になっているので、
もう少し理論武装(左脳強化)と修行深化(右脳全開なのかも〜)に
励みます!
脳梁を太くして、右と左をつなぐのも楽しい🎵
*アバター:化身。サンスクリットのアヴァターラの英語化。
……と、いうことを改めて思った
蒙を啓き希望を与えるワクワク本でした!
あ〜♡ 充実したGWだ🎵
(感謝! アイキャッチ画像:PatrizioによるPixabayからの画像)