風の行者の空中歩行

保江邦夫さんの空中歩行

Youtube(のスカパー)を見ていたら、
懐かしい言葉(空中歩行!)を耳にしたので
記しておきます。

番組は、
『独特な視点の客が集まるBARシーズン2 #8<閉店後>』
(リンクが貼れないので、検索してください!)
保江邦夫さんが、渋谷で空中歩行をした話です。

(本編は『独特な視点の客が集まるBARシーズン2』の
 「天才物理学者 保江邦夫という男」
 ↑本編には「風の行者」の話は出てきません。)

「空中歩行」なんてありえない、と思うでしょうが、
チベット仏教ではかなり昔からよく言われていた神通力です。
神通力、つまり元々仏教では一般的な、
修行の結果、発揮される「超」能力の一つです。
勿論、仏教ではこれらの能力を目的にして修行するわけではないのですが、
修行しているとどうしても、
次元を行き来できるようなところがある、というのか
三次元の時空に限定されない能力が
発揮できるようになってしまうわけです。

保江さんの話は本当かもしれない、と私が思ったのは、
最近の保江さんは、弥勒半跏思惟像で弥勒菩薩
(観音菩薩だという説もあります)が
結んでいる印契(思惟手 <しゆいしゅ>)が、
とてつもない力を発揮することを「発見」していたり、
システマ東京チャンネル SYSTEMA TOKYO channel
 2024/07/13に公開済み

同じくシステマ動画で、
俳優の榎木孝明さんと共演して、
アストラル体を相手に寄せる(!)なんて技を繰り広げていたので
システマ東京チャンネル SYSTEMA TOKYO channel
 2024/09/21に公開済み

空中歩行も可能だろうと思えたわけです。

スカパーの『#8<閉店後>』で保江さんが仰っているように、
空中歩行をしたとき、
目的のタクシーに乗ろうと必死に睨んでいたそうですが、
この、目的地を一心に思うことと、
アストラル体を相手に寄せることは、
かなり近い技法だろうと思うわけです。

尤も、目的地を一心に思うことは、強い集中力で、
アストラル体を相手に寄せることは、
相手を愛するようにふわりと寄せていく、という
違いがあるようですが、
技術的にかなり近いんじゃないかという気がしています。
力の加減、というか。匙加減。
肉体を持っていくには集中がいるけれど、
アストラル体を飛ばす(?)のは、ふわり、が良い、というか。

空中を歩く! 成瀬雅春さん

スカパーの動画内で保江さんが名前を出していた成瀬さんは、
ヨーガ行者として著名ですが、
彼はもともと空中歩行していたようで(!)、
『ムー web』「空中を歩く! 成瀬雅春がインドの聖地ラダックで
 秘術ルンゴムを行った!
」)
写真を見ると、笑っちゃうくらい空中を歩いてる!

空中浮遊とか浮揚とかなら
筋肉でもできますが、
歩くのは流石に、トリックじゃないと無理。

成瀬さんも、
「遠くの一点を見据えて、そこに意識を集中させる。」
(前出サイトの記事より)
と仰っているので、仏教のセオリー通りです。

成瀬さんの記事にあった「ルンゴム」は
正しくは rlung sgom pa(ルンゴムパ)だと思いますが、
直訳すれば「風の修行」。
体内の風をコントロールする修行です。
これを行う人が「風の行者」です。
そのまま「ルンゴムパ」もしくは、
rlung sgom po(ルンゴムポ)というようです。
(pa は名詞・動詞・形容詞等形成語尾辞で
 po は人、主に男性を表す語尾辞。女性なら mo)

この「風の行者」が、
私には懐かしくて。

アレキサンドラ・デヴィッド=ニールと風の行者

学生の頃、一冊の本を読みました。
チベット魔法の書:
宇宙の糸に紡がれて 秘教と魔術永遠の今に癒される生き方を求めて

(アレキサンドラ・デヴィッド=ニール著、林陽訳、徳間書店、1997/8/1)
もとは学研の『ムー』に部分的な訳が載っていたように思います。
私が最初に彼女を知ったのは、多分、『ムー』の方。
女性で、フランスの探検家で、ヒマラヤで修行して♪
憧れました〜♪♪♪
(ジャン=ノエル・ロベールには批判されちゃってるけど・・・。
 Cf.『仏教の歴史』今枝由郎訳、講談社選書メチエ、2023。
 でも、私がチベットに気持ちを向けるきっかけになった一人なので!)

1924年にラサに到着し、
やがてヒマラヤでトゥンモ(体内の火を上昇させる修行法)も
行なっているので、
あの時代に女性でそこまでできるのは
もう女傑を通り越して、ダーキニーだとしか思えない!
(褒めてます!敬愛しています!)

彼女が「風の行者」を見た、と書いていました。
とてつもない速さで突き進んで来る(そして去って行く)行者でした。
「宇宙のどこか遠くの一点をみつめているかのような、大きく見開かれた目をはっきり見ることができた。走ってはいない。地面から浮かび、跳ねて飛んでいるようにみえる。まりのような柔らかさを持っていて、地面に足がつく度に弾んでいるかのようだ。」
(前掲書、p. 216)
そのラマ・ルンゴムパは、挨拶をした彼女たちに気づきもせず
行ってしまったそうです。

風の行者に話しかけてはいけない、と
同行のチベット人に言われたそうです。
風のコントロールをしている、ということは
彼は飛ぶように走りながら
一種の瞑想修行を続けているわけですから、
それを遮るようなことをすれば、
体内の風が一挙にバランスを崩すのでしょう。
「死なせてしまいます」
だから、絶対話しかけるな、遮るな、と。

保江さんはご自分で、
周囲の視線に気づいて歩を止めたようですが、
成瀬さんはどのような感じなのか、
知りたいと思いました。

成瀬さんの倍音声明は
私も以前、成瀬さんと古い付き合いの方から
教わったことがあるのですが、
成瀬さんがそれをニンマ派(の誰か?)から
教わったのだとすれば、
私が知っているゾクチェンの行で行うものが
(「倍音声明」だとは言われなかったけれど・・・)
それの一種なのかな、と思うこともあり
色々と答え合わせのようなことを感じる
一連の動画、記事でした。